ぼーっとしてたら出てきた記憶

昨日おにぎりを食べながらぼーっとしていたら、ふと過去の記憶が出てきた。

それも何気ない記憶が。

 

私が病院で看護師をして2年目のころ、不思議な先輩がやってきた。

物腰柔らかで、おっとりしていて、

なんでこんなバタバタの病棟看護師してるんだろう?と思うような方だった。

その人は仕事が早いほうではなかったのだ。
 
(私もそうだったけどね。5時にみんな終わる中、8時まで残業とかザラにある。笑)
 
病棟の看護師は勤務交代のたびに、自分の受け持っていた患者さんの情報を次の勤務の看護師に伝える「申し送り」という時間がある。
大体は、わかりやすく、次の勤務の人が困らないように申し送るのだが、
彼女だけは申し送りで言っていることの意図がわからず、
質問しても本人も自分が言っていることを理解していなかったことがあり、
イラっとしたのを今でも覚えている。
先輩の申し送りでイラッとしたことなんかあまりなかったからより鮮明に、、、。
 
正直、私は
「この人はあんまりこういう仕事は向いてないんじゃないかなー」
と思っていた。
 
そんな彼女が手術予定の患者さんを担当した時、患者さんは手術2日前だというのに
「手術はしない」
と言って退院してしまった。
 
医師の説得にも他の看護師の説得にも全く耳を貸さなかったらしい。
 
先輩達は
「もう!ooさんのせいで!どんな説明したのよ!」
怒り狂っていた。
 
私もそれを傍目から見て
「うわー!そんなことってある?!
やっぱ○○さんって仕事あんまり出来ないんだなー。」
と思っていた。
 
その記憶はそこで終わり。
 
だけど昨日ふとぼーっとしていた時に、このことを思い出した。
そして、当時の感想とは別のことを考え始めた。
それは
 
あの時本当に彼女のせいで患者さんは退院したんだろうか?
 
もしかして、その人はその人の立場からみたオペの話をしたんじゃないだろうか?
 
それが患者さんにとって一番ピンと来た、
患者さんにとっての最善の判断の一助になった
ということは考えられないだろうか?
 
ということだった。
別にこんなこと考えようなんて思ってないのに不思議だなーと思いつつも、
なんだか腑に落ちる考えだな、と思った。
 
8年以上も過去のことだから、事実はわからない。
だけど、あの時そこまで考えれていたら、
その人をもっと理解できて、違う視点でその方と話ができたかもしれないな。
なんてことを思った。
 
でも、こんなことは、8年前だけの話じゃない。
これはこれからも起こる。
もうすでに何度も起こっているかもしれない。
 
何か出来事があって、あの人のことだから、とか、
皆が持つ感想や雰囲気に飲まれて自分の頭で考えずに
単純な答えしか持つことができないことはいかに視野が狭いのか。
そんな視野が狭かった自分に、やっと気づけた気がする。
 
気づけてよかったなあ。
この気づき忘れないようにここに記しておきます!
 
最後に。
皆さん。ぼーっとするって良いですよ。
なんだか、意外なことが不意に思いつくんですもん。
人はずーっと考えてた答えが、いきなり出てくることってあって、
それが、全然関係ないことしてる時なんですってね。
今回のは大して考えてもなかったんだけれども。
それでも、良い学びをくれてありがとう。
 
たまには
ぼーっとしましょう。ぼーっと。
 
あでゅ。